リモートワーク、テレワークが本格的に始まって1ヶ月以上経った人も多いのでは無いでしょうか。 自分は2月から独立してほとんどをリモートワークで過ごしてきましたが、その中で大事だなと学んだ知見を共有していこうと思います。
作業環境は大事
まず一番大事なのは作業環境です。 どこまで投資するか難しい…って気持ちもわかります。 しかし緊急事態宣言は延長され、会社のリモートワークも終わる兆しは見えません。
そこでまず出来るところから作業環境は整えるようにしましょう。 理想を言えば次の環境は大事です。
- 広い机
- 良い椅子
- 大きなディスプレイ
- ヘッドホンとマイク(テレカンが圧倒的に多くなるため
- 早いネット回線(最も重要)
そーだいなる環境
自分が使っている環境は次のとおり。
机は自分は好みでL型(色は深い青)にしましたが、普通のストレートでもIKEAでBEKANTの机が広くてオススメです。 またディスプレイはディアルディスプレイですが32インチから27インチがオススメです。 1枚で作業するなら42インチが良いという話もありますが、より広い机が必要になります。
具体的には奥行き100cmくらいが欲しくなりますが、80cm以上は探しましたが無く、多分オーダーメイドになります。 それが可能なら大きなモニターを用意するのも良いと思います。 またコード書いたりしないならディスプレイは1枚でも充分でしょう。
良いマイクは素人なのでわかりませんが、良いヘッドホンを買うと大体マイクが内蔵されています。 自分は元々ヘッドホンを持っていたのでこれを使っていて、ノイズキャンセリングもあるので作業する分にはかなり捗ります。
特にPCマイクを使っているとキーボードの音を拾ってしまい、多くの人はマイクとの距離の関係上 キーボードの音 > 声のデカさ なので声がノイズキャンセリングに負けて途切れてしまいます。 その点でもマイクは外付けにするのが本当にオススメです。
またApple派の人たちはAirPodsがコスパの面で最強です。
静音キーボードがオススメ
ちなみにそーだいさんは声が大きいのでその問題はないのですが、キーボードはRealforceを使っています。 しかしキーボードのタッチ音がうるさい*1問題がありました。 そこで元職場*2に置いていた静音キーボードに切り換えましたが、これが大当たり!!
キーボードにこだわりがある人は静音キーボードがオススメです。 特にRealforceの人でテレカンが多い、議事録を取る、などをする人はその時だけでも静音キーボードにするだけで、画面の向こう側の人の体験が代わりますので配慮していきましょう。
ネットワークは本当に大事
特にリモートワーク主流で行く場合は、テレカンが重要です。 テレカンのプツプツ切れる問題の大半は回線速度の遅延で、リモートワークに置いて回線は非常に重要です。
もちろん光回線を正しく開通させることも大事ですが、それ以外にもWi-Fiルータなども重要です。 最高クラスのルータを買う必要はないのですが、普段から投資してない人はこれを機会に投資しましょう。 Wi-Fiのルータはこれくらいでいいと思います。
回線ですが自分はフレッツ光でプロバイダはso-net(家はドコモ光+asahinet)ですが100~300Mbpsくらいは出ます。 50~80Mbpsは安定して超えてないと人数の多いテレカンが安定しない印象があります。 マンションの場合はビルの都合で多大に影響します。
特に インターネット設定不要の無料インターネット付き物件 は注意しましょう。 普段は全く問題ない場合でも今はリモートワークだったり家に引き込もりがちの関係上、マンション全体で高負荷になっていて、ビルの大本の部分が遅延してボトルネックになる場合があります。
この場合は工事できれば理想ですが、それはお金がかかる話だし、普段は問題なかったりするので悩ましいですね…会社が支援してくれる場合などはPocket Wifiをレンタルするなども検討しましょう。 ただしPocket Wi-Fiも繋がりにく場所もあるので注意が必要です。
会社は積極的に支援すべき
いいなー、揃えたいなー、でも金もかかるし、そもそも広い部屋が必要… そう考える人も多いと思います。 自分はオフィスを引っ越しましたが(徒歩圏内から徒歩圏内で広い場所へ)誰でも出来ることではないので、会社の支援を求めていきましょう。
リモートワークしたいって言う人多いけど、子供おると相手めちゃめちゃ大変だし、妻も含めてなにも配慮無いと割り込みタスク頻発するので絶対オフィス行ったほうが仕事捗るし、人類に必要なのはリモートワークではなく家の近くにサテライトオフィス。
— そーだい@初代ALF (@soudai1025) 2018年9月25日
またはリモートワークを中心に据える場合はお子さんがいる家庭の稼働や生産性は ある程度*3あきらめましょう。 多くの人が本来のパフォーマンスは出せません*4。 それはもうそういうものだと思って組織体制やスケジュールを再調整しましょう。
もしこの記事を経営者やチームリーダー、部署のマネージャークラスの人が読んでいるのであれば、上記の点は積極的に支援しましょう。
具体的にはベビーシッターや家政婦サービスの費用を支援する、作業時間の調整枠を緩和する、労働時間や納期の調整、MTGの頻度を減らす、非同期にタスクを管理できるようにするなどです。 場合によっては制度の変更など必要でしょう。
ですが子育ては本当に大切な社会貢献ですし、子供がいると不利になる社会は健全ではありません。 会社でしっかりと社会を支えていきましょう。
金銭面で言えば、前述の回線速度や作業環境に対する支援は大事です。 サテライトオフィスは無理でも交通費は不要になったわけですからリモートワーク作業手当のような形で支援したり、準備金など、直接金銭で支援した方が物品管理が不要なので楽です。
ただし給料になってしまうことで税金の計算が…とか経費に含むには?みたいな話がありますがそういうのは税理士頑張ってほしいですね。 小さい会社なら難しく考えず、物品支給でもいいと思います。
買ってよかったリスト
上記以外に有ってよかったなと思うものを列挙していきます。 これは必須では無いと思いますので参考程度にしてください。
フットレストがあると疲れが違う
id:uzulla に教えてもらったやつを使っています。 太ももからお尻にかけての負担が全然違うので本当にオススメです。 腰痛や坐骨神経痛が気になるんだよなぁって人は椅子も大事だけどフットレストも試してみてください!
ペンタブがあるとテレカンが捗る
普段、絵は全然描かないけど会議のときはホワイトボードで説明することは多々ある、そんな人は私以外にもいるのではないでしょうか。 そんな人にオススメなのがペンタブです。
ちょっと会話が噛み合わないときにホワイトボードサービスとペンタブの組み合わせがあるとかなり捗ります。 ホワイトボードツールは慣れが必要ではありますが、自分の周りではGoogleのjamboardを使う人が多いです。
jamboardの良いところは、同じG Suite内の人と簡単に共有できた上で、作成した図面の共有などのセキュリティ面がGoogleドキュメント同様に簡単に担保できるところです。 G Suiteを使ってるチームではまずお試しに使ってみると良いでしょう。
またWindowsの人やOffice 365を使ってる人はMicrosoft Whiteboardがオススメです。 Windowsを使ってる場合はさすがネイティブと言った感じで書味が素晴らしいです。 普通に図面を作る分にはMicrosoft Whiteboardが一番良くて、URLリンクで共有も簡単ですし、イチオシ*5ですね。
あとペンタブではいきなりキレイには書けません。 それなりにスキルが必要というか訓練が必要だなと感じていますが、そもそもテレカンのホワイトボードの代わりくらいの感覚なのでキレイに書く必要はありません。
慣れてくれば普段の資料を作る時にもペンタブを活用できるようになるかもしれませんが、最初はキレイは書けないモノだと諦めることも大事です。 それでも図面で説明するには充分な効果がありますし、マウスよりは断然早いです。
個人的にはiPadを液タブ代わりに使ってる人がいれば使用感を教えてほしい*6です!
毛づくろいの会話が大事
コミュニケーションは仕事、プライベート関係なく、そしてオフライン、オンライン問わず重要な要素です。 しかしリモートワークを続ける中で仕事のコミュニケーションとしてタスク管理の方法や意思疎通の部分は重要視されるものの、毛づくろいの会話は疎かにされているチームを目にします。 テレワークは信頼貯金すり減らす という記事の中にある下記の言葉は私も実感として強くあります。
freeeは3月2日から全社リモートワーク(テレワーク)を続けています。すでに1カ月以上が経っていますが、リモートワークでの業務はそれまでの「信頼関係の貯金」を使ってやることになるので、時間が経過するに連れて、やはり疲弊していく面はあります。
この解決策の鍵となる部分が毛づくろいの会話にあると私は考えています。 毛づくろいの会話は昔、前職の尊敬するマネージャーだった id:daiksy さんに教えてもらいました。 今の仕事がマネージャーの人でこの言葉、このエントリーをまだ読んでいない人は読んでください。
彼はリモートワークのメンバーをマネージメントした経験があり、リモートワークの難しさについても語っています。
ここでの課題は毛づくろいの会話を如何に取り入れるかです。 1時間のミーティングよりも毎日の挨拶の方がお互いの心理的距離が縮まることをザイオンス効果と呼びますが、その点に置いても日々の雑談は相手の理解を深める毛づくろいの会話を満たすために重要な役割を担っています。
例えば休憩室やタバコ部屋、ランチタイムや食堂、飲み会、ちょっとした仕事の合間など雑談の機会がオフラインでは意外と多いものです。 もちろん好き嫌いはあると思いますが、しかしオンラインになるとこういった雑談が極端に減ります。
テキストコミュニケーションでの感情を読み取る難しさは前述の id:daiksy さんのスライドにもあります。 だからこそチームや組織として毛づくろいの会話を増やす仕組みを取り入れていきましょう。
雑談するトリガーを増やす
私の周りで上手くいってる例では朝会以外にも昼会、おやつ会、夕会など複数回の集まるトリガーを用意してるパターンがあります。 これによって作業報告だったり、「さっき試そうとしたアレ、上手く行ってないのだけどフォローしてほしい」など仕事の報連相のチャンスが増えます。
そして重要なのは会の前後で雑談するということです。
例えばZoomやMeetなどを使ってる場合は会のちょっと早めに部屋を作り、早めに入ってみんなが集まるまで雑談します。 会として報告が終わったあとも今日のネットニュースなどで盛り上がってみる。 会の中で「今気になってるネタ」みたいな枠を用意するのも、話題作りとしてよいです。
自然と雑談が生まれるようなチームではない場合、このようにトリガーを増やすことを考えてみてください。 ただ、チームの人数が多いとうまくいきません。 肌感覚としては5~8人程度までがこの方法で雑談する限界値だと思います。
気軽に雑談出来る場所を増やす
チームの人数もそこそこ多いし、関係者も多い場合は気軽に雑談出来る場所を用意しましょう。 例えばSlackに雑談しながら作業するためのチャンネルやtimesチャンネルを用意し、そこでSlack CallやZoomを開いて待ちます。 そこに同じく雑談したい人が参加して、雑談しながら作業をするというものです。
これは先程とは逆にある程度人数が多くないと誰も入ってくれないという寂しいことになりがちなので全体で10人以上のチームで採用すると良いでしょう。 類似の例ではdiscordを用意しているチームもあります。 discordは最初から通話用の部屋を用意できるため、よりカジュアルに会話が出来るのでツールにこだわりがない場合は上記の運用よりもオススメです。
ときには画面共有をしてペアオペするなどもオススメです。 積極的にペアオペをする機会を増やし、雑談しながら作業することでも同じ効果が得られるでしょう。 特にこのタイミングで入ってきた中途採用者やジュニアクラスのメンバーのフォローなどでは効果がありますし、逆にそういった人は取り残されがちなので注意深くフォローしましょう。
フリーランスはなかなか社外の人と雑談するのが難しい…と言った場合は同じくフリーランス同士のdiscordを作ってコワーキングスペースのように雑談しながら作業する場所を用意している人もいます。
リモートワーク交流会の開催
最たる例はリモート飲み会です。 飲み会以外にも将棋や麻雀などのボードゲームやオンライン対戦などのゲームを一緒にする、映画鑑賞を一緒にする、一緒に読書する会などがあります。 リモート交流会自体は今に始まった事ではなく、古の時代からSkypeだったりMMOだったりで行われてきたことです。
ですから「よし、やっていくぞ!!」と肩肘を貼る必要はありません。 軽い感じで「今日金曜日だし、飲みながら麻雀でもしようぜ!」とか「昼休憩だしZoomをつないでランチしながらアニメを見ようぜ!」といった感じでやるほうが長く続きます。 ただし新人歓迎会などの会社としてのリモート飲み会は準備が必要です。
私の場合、昼の休憩時間に格ゲーのリモート対戦会に参加したり、リモート麻雀やリモート飲み会に参加したりもしています。 まだリモート交流会を試したことが無い方はこれを機に社内外問わず、リモート交流をチャレンジしてみるのは如何でしょうか。
オンラインだと繋がりが偏る
オンライン交流会を進めると社内外問わず、より自分の価値観や好みに近い人とだけ交流する 傾向が強くなります。 もともとオフラインのコミュニケーションでもその傾向はあるのですが、オンラインの世界だとより強く 繋がりを主体的に選べる ため、この傾向が強くなります。 これは派閥だったり、セクショナリズムが強くなるということです。
つまり仕事においては部門の壁が生まれたり、相性の悪い人との関係性がより早く悪化するということでもあります。 逆に相性が良い人とは繋がりが強くなったりするので一概には悪いわけではないのですがその性質を理解しておきましょう。
関係する線を増やす
偏った関係を緩和するアプローチとしては 関係する線を増やす というのがあります。 人は少なからず他社の影響を相互に受けながら変化しているわけで、そのための関係を増やすというわけです。
例えば仕事なら部門とは別に横軸のチームを作る、例えばランダムな組み合わせでランチして雑談する機会を作る、テレフォンショッキング形式で1on1をつないでいく、などです。
ランダムな組み合わせで雑談は機械的にやってもいいでしょうし、ランチのスタンプラリーのような形でもいいです。
1on1形式ではテレフォンショッキング形式の次回の人を紹介する形式以外にも、自分から指名して1on1をする形式もありますし、これは両方を共存させることができます。
また時間は長すぎず、15分から30分程度が良いでしょう。 これらのメリットは 部門や好みを跨いだ関係の線を強制的に増やせる ということです。
ただし、最初は弱い線なので強くなるような仕組み*7を用意する必要があります。
具体的な施策としては、回数を増やす以外にもサークルのような部活動を用意して、そこに勧誘する、仕事のタスクを一緒にやれるようなプロジェクトを用意するなどがあります。 部活動は会社として支援する方法もありますが、個人でも気軽に始めれるのでオススメです。 部活動と称してリモート交流会に発展させていきましょう。
関係の線を増やす効果については下記のサイトが体験しながら学ぶことができて、とてもわかりやすいのでオススメです。
進捗は全てを解决する
これは飲み友達の id:katzchang の名言です。 色々書いてきましたが、リモートワークに限らず、自分がやっていることが進んでいる、結果が出ていると感じることはとてもとても大切です。
そのためには進捗を感じる必要があります。 進捗を感じる方法はいくつもありますが、特に重要なのはフィードバックです。
リモートワークになるとフィードバックが弱くなってしまいやすいですし、自分のタスクが正しいのか、成功なのか、前に進んでるのかわからない瞬間があります。 ですからフィードバックはいつもよりも多めに、わかりやすく、積極的に行っていきましょう。
特に細かく褒める、みんなで称賛するみたいなタイミングは大事にしていきましょう。 褒めて伸ばすといいますが、褒められて嫌な人は基本的にいません。 積極的に褒めていきましょう。
適切な問題設定が大切
タスクもフィードバックを感じやすいように、そしてフィードバックを出しやすいように粒度を小さめにしていくことも大切です。 似たようなことに 適切な問題設定*8 という話もあります。
まとめ
ここまでリモートワークをする上で大事なことを書いてきました。 逆にフルは難しくてもリモートワークに主軸を置いてもワークできることの証明もされたと感じています。
これを機にコロナの緊急事態宣言が解除されて自粛解除になったとしても、リモートワークを推奨するチームも多いのではないでしょうか。 リモートワークが推奨されれば働く場所の制約が大きく緩和し、地方での仕事も可能になります。
採用の面でもリモートワークは多くのことを変えます。 地方の優秀な人を採用することも可能ですし、逆に東京からIターンやUターンで待遇や企業に妥協すること無く就職することも可能です。
このコロナショックは、今もなお進んでていて、大変な時期ではありますが、働き方を変える大きなターニングポイントです。 みなさんもこれを機に働き方を見直しても良いのではないでしょうか。
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コロナショックによって、自分の大切な場所が無くなるかもしれないという危機でもあります。