そーだいなるらくがき帳

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3度目のCTOになって2年経つので振り返る

 リンケージのCTOになって2年が経ったので振り返って3年目について書く。

前回

soudai.hatenablog.com

やってきたこと

  • 1年目は開発組織の立て直しと社内の新規事業の開発
  • 2年目の前半は採用と後半は既存事業のリプレース
  • 3年目は採用と組織の向き直りとビルドアップ

1年目

 開発組織の立て直しと新規事業の開発の両方を同時にやるってことでなかなかハードだったが仲間に恵まれ無事リリースできた。 その時から開発しているFEMCLEは今もガンガン成長していて、今後はリンケージの柱となる事業の一つ。 ちゃんとローンチできて良かった。 

femcle.linkage-inc.co.jp

 仲間に恵まれた、という点でいえば採用がうまく行っているのがめちゃめちゃ大きい。 リンケージはPHP界隈で最強のチームだ、と言っても過言じゃないと思っている。 何よりも素晴らしいのは平均レベルの高さ、それ故に実現しているプロダクションコードや開発の品質の高さ。 これはなかなか経験できることじゃないと思う。

 リンケージでエンジニアをすることはメジャーリーグで野球をやったり、プレミアリーグでサッカーをやるようなレベルの体験があると思う。 そういう良いチームが作れたのが1年目の大きな成果だ。

採用がうまく行った理由

 エンジニア採用は全てリファラルだ。 リファラルがスタートアップにおいて重要なのは周知の事実なわけなので特段説明しないのだけど、リファラル採用で人が取れている理由は PHPコミュニティへの関わりの深さ だ。 例えば月間PHPカンファレンスと呼ばれる各地のPHPカンファレンスにリンケージの社員、業務委託がガンガン登壇している。 ちゃちいさんに至ってはPHPカンファレンス香川を主催している。 もちろん、スポンサーもやっているし、参加も支援している。 また社員が登壇しているのに開発の長である自分が参加しないわけには行かない。 もちろん、全てのPHPカンファレンスに参加している

note.com

b2b-ch.infomart.co.jp

 技術コミュニティと密接に関わりながら事業を成長させている企業は少なくないが、リンケージはPHPコミュニティに本気で向きあい、そして支援していくという大方針がある。 これを本気でやっているからこそ、リファラル採用がうまく行っている。 今でいうDevRelがうまく行っているという話ではあると思う。

 これは今後も続けていくし、しばらくはリファラルの採用がメインなのは続く。

2年目

 採用がうまく行ったので次は事業ですね、ということで既存事業の仕切り直しをやった。 リンケージはスタートアップと言いながらも2011年からある会社で既存事業の禁煙事業は歴史があるプロダクトだ。 そうなるともちろんコードベースも歴史ある内容になっていて、そこに新しい特定保険事業も乗っていたりとして肥大化をしている。

 これをスリム化しよう、ということで特定の事業を切り出し、部分的にリプレースする形をとっている。 この既存事業のリプレースのプロジェクトはメンバーにほぼほぼ任せており、そして今月ローンチした。 こういうリプレース案件、チャレンジしてもローンチまでたどり着けず消えていくプロジェクトが多い中でやりきってくれているのはめちゃめちゃ心強い。

 もちろんリプレースはあくまでマイルストーンで、これを機にどんどん事業開発を進めていって売上を伸ばして行く必要がある。 そのための足場作りとして最高の結果が出た。

そして採用も引き続きやっていて、ソフトウェアエンジニア以外の職種もリファラルで採用を進めてきた。 実際にいくつかのポジションで採用された人たちがバリバリとバリューを出してくれている。 とはいってもエンジニア職種以外は採用は全てリファラルではなく、一般的な流入経路で入ってきてくれる人もいて、そういう人たちもガンガンバリューを出してくれている。

 そういう点で組織の拡大フェーズとしては順調、と思われたが……。

これからの3年目

 人がガンガン増えると当たり前だが成長痛が生まれる。 でも事業の拡大のためには採用してポジションを任せていかないとリソース不足がボトルネックの理由になる。 そして今、この成長痛とめちゃめちゃ向き合う責務をおっている。 もうCTOのTとはなんぞや?って話なんだが、超とにかく問題解決する漢としてやっていく。 ということで3年目、今は以下のボールを持っている。

  • 特定保険指導の事業責任者
  • 広報責任者
  • 人事責任者
  • 開発部責任者

 ついに事業責任者を持ってしまった。避けて生きてきたがこればっかりは誰かがやらないといけなくて、会社の既存の事業の中でも新しめでかつまさにリプレースしたソフトウェアを活用する中心のプロダクトなので特定保険指導の事業責任者をやっていく。 売上をつくって云々と向き合ってきてはなかったので、ちゃんと向き合うのが3年目の一つの仕事。 あとは自分以外の事業責任者をアサインできるように育てたり、構造をうまく整えるのがミッション。 次の振り返りのときには見事後継者に事業責任者の役割を譲っているはず。

 広報と人事は採用だったり、組織文化を整えたりする文脈で持っている。 リンケージは今、リモートワーク中心の組織にわかりつつあって、オンラインの土壌を作っていく必要がある。 CIOとともに仕組みの用意とそれを活かせる事業の仕組みとそして組織構造の見直しをやっている。

 これは結構大きなボールでこの夏の大きなチャレンジの一つ。 でもめちゃめちゃおもしろいと感じていて、構造一つで事業や組織がめちゃめちゃ良くなっていっているのを感じる。

 逆に開発部の責任者としては現場にかなり委譲しているので今、現在プレゼンスを発揮しているか?といわれるとそうでもないかもしれない。 どんどん現場に委譲していけるし、もうチームが自律を勝ち取っているのであとはサポートに徹するだけで良いと考えている。

まとめ

 2年で思っていた以上にやることが増え、CTOという役割を超えた責務を持つことになっている。 今年はそれをどんどん渡していく一年にしていきたい。