そーだいなるらくがき帳

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具象と抽象の往復を私達はカンファレンスを通じて学んでいるんだ - PHPカンファレンス小田原編

 PHPカンファレンス小田原(以下 ぺちこん小田原)に行ってきた。 このブログはその熱量の高さを思い出しながら、小田原駅前のスタバで書いてる。

カンファレンスで話をしたこと

 懇親会キーノートで内省を勝ち取る、そのためには具象と抽象を往復して具象化の引き出しと抽象化の概念の理解を深めようという話をした。 そのために日報や週報からふりかえりし、能力を獲得していく。という話。

 でもこれ、カンファレンスに参加すること自体が具象と抽象のスキルを強く獲得するチャンスだなって思ったので、感想と合わせて書く。 ちなみに文章中に出てくる経験学習モデルの話はスライドで説明している。

speakerdeck.com

経験という具象を疑似体験として聴く

 カンファレンスに行くと色んなセッションを聴くことができる。 もちろんぺちこん小田原でも最高だった。

 至極のセッションの中で自分の中のベストトークを選ぶとしたらたつきちさんの帳票の話。 もちろん編み出したアイディアも素晴らしいけど、そのアイディアまでの過程の中の苦悩や乗り越え方、そして実際の手を動かし方のPDCAのサイクルが余すことなく書いてあり、セッションのタイトル以上にエンジニアとしてのあるべき課題の解き方を話されていて最高だった。

 こういうのは資料を読むだけでは気付けないし、伝わらない。 タイトルだけの内容を見て、「ふーん帳票ね。まぁ仕事関係ないしいっか。」と終わるのはもったいない。

 やっぱ現地でセッションを聴く価値ってそういうところにあるし、体験というインパクトとセットのほうが記憶に定着しやすい。 そういう時間としてカンファレンスは最高の場だ。

 つまり現地でセッションを聴くと感動したり、共感したり、学びがある。 それは擬似的な具体的経験と内省的観察を推進してくれる。

 ちなみにたつきちさんの話はタイトルの中身の話もとても参考になるのでこちらに貼っておく。 あと帳票の話自体も素晴らしい記事を書いてくれてるので紹介する。

zenn.dev

他人の話を自分事と捉え、共通項や一般化を考える

 内省的観察から学びや気付きが生まれたなら次は抽象化的概念化だ。 自分の会社で学びを活かすためにはどうすることができるか。 複数のセッションや今までの経験から共通項はあるか。

 そして見つけた抽象に対して名前をつけていく。 自分の中でこうやって言語化されたことが仮説として組み立てられることで構造の理解が深まり、再現性が生まれる。

同じコンテキストで高速にフィードバックという答え合わせをする

 そして最後が積極的実践だ。 もちろん、週明けから会社で活かすぞ!というのもとても良いアクションだがもっと早く、自分の持った仮説、抽象化的概念化した名前について検証する方法がある。

 それがAsk the Speaker。つまり登壇者に直接その名付けしたなにかに対して質問するのだ。 登壇者はそのコンテキストについて深く理解しているから、曖昧な状態でもコミュニケーションが成立するはずだし、名付けができる前の内省的観察を行った結果の学びや気付きに対して抽象化や概念化する作業自体をペアプロのようにともに併走してくれるはずだ。

 これはカンファレンスの現地に行く最大のメリットだと言えるし、参加してセッションを聴くならぜひ、活用してほしい。 登壇者はいつでもフィードバックを求めている。 専用の時間がなくても、廊下で話しかけてもいいし、懇親会で聴いてもいいし、後日Xでメンションを飛ばしてもいい。 自分から質問するというアクションが学びの螺旋に自らを巻き込むことに繋がる。

PHPカンファレンス小田原の感想

 これらのことはもちろん懇親会や廊下、ランチなどの交流の中でもチャンスはたくさんある。 それをぺちこん小田原の運営はとても意識されて交流という場を用意しているなと感じた。 これはPHPerコミュニティの大きな特徴だと思うし、月間PHPカンファレンスと呼ばれるような毎月各地で行われるような状態の中でも共通したPHPerの文化だと思う。

 とても楽しい思い出なので、来年もあるかどうかわからないけど、カンファレンスじゃなくても小田原に遊びにくる理由がほしいので定期的に遊びに行く理由があると嬉しい。

終わりに

 PHPカンファレンスで新しい出会いもあるし、毎月会うような猛者と強いつながりも感じられる。 自分はPHPerコミュニティが大好きだ。 そういう温かい気持ちになる良いカンファレンスだった。

 じゃあみんな来月は香川でよろしくな。