そーだいなるらくがき帳

そーだいが自由気侭に更新します。

起業してわかったこと

f:id:Soudai:20200321164810p:plain

前回の続き。

soudai.hatenablog.com

 1月22日に会社を設立したので設立からは2ヶ月経った。 オミカレを退職してからは実質1ヶ月半だが、コロナだったり、様々なことがあった中で感じたことを綴る。

働きすぎる

 実は元々ワーカーホリックだし、仕事は好きなのでつい働きすぎてしまう。 働きすぎるというのは単純に稼働時間が伸びるというのもあるのだけど、何でも自分でやってしまうというのもある。

 例えば行政手続きの多くは行政書士に委託できるし、会計処理は税理士などに委託できる。 もちろんお金が掛かるからコスト削減として自分でやると言う選択肢もあるけど時間をお金で買うという感覚はとても重要だ。 コンサルティングプログラマーとして稼働すると自分の時間=お金なわけで、稼働単価と委託して掛かる金額の天秤はしっかりと測るべき。

 自分の場合*1は興味関心があることならまだしも苦手なことを対応するのはとてもパフォーマンスが悪いからどんどん委託できることは委託すべきだなと感じている。 この感覚はSaaSと一緒だし、あるものは活用していくことが大事。

予定を詰め込みすぎる

 働きすぎのもう一旦に予定を詰め込みすぎるというのがある。 これは自分は元々その傾向があったが、自分ですべてを決めれる立場になると、より顕著にその傾向が出た。

 例えば仕事は受けれるだけ受けたい!という気持ちが出てくる。 この思想はとても危険だ。

 なぜなら1週間の工数5日をすべて埋めてしまった場合、体調を崩したり祝日があったりすると振り返る先がない。 土日も工数に換算し始めると目も当てれない。

 もちろん、自分の単価設定についても同様だ。 週5~6働く前提で単価設定や受託開発の価格設定をしてしまうと、なにかトラブルが発生した場合に目も当てれない。

 そして恐ろしいことは、このように理解していても、予定を埋めてしまう*2*3のだ。 もちろん今は起業直後のお試し期間で声をかけてくれてる企業や、お祝いで食事に誘ってくれる人もいるので永続的にこの状況ではないとは思う。 しかし放っておくと予定を詰め込んでしまうので自分の中のガイドラインは持ったほうがいい。

 私が尊敬する経営者の一人にさくらインターネットの田中さん(@kunihirotanaka)がいる。 その田中さんの言葉でまさに今の自分が実践すべきという言葉がある。

私自身もともと短気ですぐに怒ってしまうタイプなので、機嫌を維持するために、余白をしっかり持って、あまり忙しくしないことと、ちゃんと寝ることに心がけています。(中略) そのために私がやっているのが、1週間より先の予定は半分以上入れないというメソッドです。

note.com

 まずは自分の中のガイドラインとして行っていきたいと思うし、どんどんみんな飲み会には誘ってほしい。

自己管理の重要さ

 サラリーマンだってスケジュールなどの自己管理も大切だし、健康管理もとても重要だ。 しかし一人でやっていくのであれば今まで以上に自己管理は重要になる。 それは一度の失敗すれば信用を失うことになるし、信用がなければ仕事を貰うことも難しいからだ。

 その上で特に難しいと感じる部分を説明する。

有給はない

 当たり前だが休むことは自由だが有給はない。契約にも夜が仕事をしなければお金はもらえないのだ つまりタイムチャージの場合などは休んだ日はお金はもらえないし、請負の場合は休めば翌日以降にしわ寄せが来るだけの話なのだ。 休んでいるうちに代わりにやってくれる人も、給料を振り込んでくれる人もいない。

 それだけではない。例えば急に体調を崩したとしても、その日に予定があればリスケの調整をしなければならない。 リスケの調整はもちろん自分が行うわけだが、もし余白のスペースが翌週以降になかった場合はリスケすることもままならない。 だからこそ前述のスケジュールに余白は大事なのだ。

コロナになってもお金はもらえる?

 昨今を話題のコロナウイルスだが、病欠してしまったらもちろんお金がもらえるわけが無い。 これはコロナウイルスだけではなく、インフルエンザだってそうだし、交通事故で入院しても同じだ。

 しかしコロナウイルスを何故上げたかというとコロナウイルスによって予定していたプロジェクトは無くなりました。景気が悪化したので予定していた契約は無くなりました。ということが実際に起こり得るし、職種によってはすでに大規模なレイオフが起こっている。

www.jiji.com

 もちろん我々ソフトウェアエンジニアだって他人事ではない。自分のお客さんが同じように不況になれば契約をまず最初に切られるのだ。 少し脱線したが自己管理はとてもとても重要だ。

契約内容はとても重要

 コロナウイルスの一見を通じて特に感じたのが契約内容の重要性だ。 自分が相手のオフィスに行って仕事をします、という内容の場合に「明日からコロナウイルスの影響で事業所を閉じます」と言われたらどうなるだろうか? 幸い私はリモートでも仕事ができる業種だし、契約内容も元々リモートで作業をすることを織り込んでいたので良かったが、そうではないときに場合によっては「来月は稼働無いので支払いはありません」なってもおかしくない。

 コロナウイルスは様々なところに影響を与えるのだ。

リモートの予算はどうする?

 テック系の会社でコロナウイルスの影響を減らすために事業所を閉じます。となった会社は少なくない。 ではそうなったとき、業務委託の環境を考慮してくれる会社はどれくらいあるだろうか。 そもそも社員に対しても十分に配慮できているか?と言われれればまだまだな会社が多いだろう。 実際に私の友人の会社でもモニターの配布やPocket WiFiルータの配布などがようやく始まりだした*4

 つまり業務委託の人たちに対する配慮はまだまだ先の話で、自分の環境は自分で整える必要がある。 私は前述の通り、リモートで作業をすることを考慮していたので作業環境はあったが予定以上にそこで作業する日が増えたし、リモートMTGが増えた。 そこで対応しきれないことも出てきた*5ため、オフィスの引っ越しも検討している。

 このように突発的な対応で予想外の出費があっても対応するのは自分自身なのだ。 ちなみに今は東京都や経済産業省がテレワーク推進のための助成金を出してたりするので一度調べてみることをおすすめする。

www.bousai.metro.tokyo.lg.jp

www.meti.go.jp

緊急や例外をどれだけ考慮するか

 コロナウイルスを一例にあげたが過去にはリーマンショックもあり、外的要因で自分たちのビジネスの根源が揺るぐことはありえる。 そこでリスクヘッジをいかに持つかというのかというのは起業する上でとても重要である。

 これはスタートアップでも同様だし、受託開発の会社でも同様であり、それがまた経営の責任でもある。

働きたい人と働く

 起業した難しさばかりを語ってきたので、起業したメリットについても語る。 時間は意外に自由が効かない、金銭的なリスクもある、では何がメリットなのだろうか。 経費が使える?会社で使える経費なんて些細なことだし、そもそも稼ぎがなければ経費は関係がない。

 起業したメリット、それは働く相手を自分が選べるということだ。 たしかに客先に突然、契約解除される可能性もある。しかし逆に自分もまた相手との契約を解除する権利もあるのだ。

 自分が働きたい人と働けるメリットのスキルアップ、人生の豊かさなどのプラス効果については読者の方々からしても自明のことだろう。

多くの接点を持てる

 就職すると一つの企業のコミットメントを求められるため、深く関われる反面、複数の企業と関わることが難しい。 しかし企業すると多くの会社と接点を同時に持つことができる。 もちろん副業でも同様だが、副業はメインの会社の優先度がどうしても高くなってしまうし、副業では難しいことも多い。

 そこで起業することで、副業でよりもより多くの企業と関わることができるし、働きたい人たちと関われる。 また転職と違い、始める手続きも解約の手続きも随分シンプルにできる。 契約側のリスクも採用に比べて少ないためハードルは低い。

 このように業務委託を同時に複数社持つことで関わりの数が増やせることは、今まで一緒に働いてみたかったが夢叶わなかった人たちと働けるという魅力がある。

新たな視点を同時に複数持てる

 複数社関わると様々な文化、制度、仕組み、技術、そしてそれに関わる問題に触れることができる。 これは自分の視座を高めることに繋がるし、自分の技術の幅を広げることができる。

 私は問題解決をすることが好きだし、そのために新たな問題にどれだけチャレンジするか、がとても重要と考えている。 だからこそ、日々多くの問題に触れることができる状況は垂涎の状況なのだ。

 それによって新たな視点、視座、技術を獲得でき、それをまた多くの企業にフィードバックすることができる。 このような成長路線を持つことができるのもまた起業した強みだ。

 常に毎日が強くてニューゲーム。といっても過言ではない感覚だ。

まとめ

 起業にはリスクがあるし、考慮することは確実に増える。 しかしそれ相応のメリットがあることが起業だ。 そのメリットは結局の所、自分ですべてを決めることができるというところに集約されるし、それが自分にとっては働く相手を選べることであり、同時に多くの問題に触れることができることを求めた結果である。

 次は半年後か1年経ったタイミングで振り返りたい。

*1:多くの場合は委託したほうが安く済むはず

*2:よく言われるがほっとくと朝5時まで飲んで朝6時の新幹線に乗るような非人道的なスケジュールを組んでしまう

*3:しかもそれを週3で行うとか

*4:これでも対応が早いほうだと思う

*5:壁の薄いレンタルオフィスではセンシティブな話はできないし、自宅は子供がいる