そーだいなるらくがき帳

そーだいが自由気侭に更新します。

「失敗から学ぶRDBの正しい歩き方」を書きました。

 電子書籍や一部の書店では先行販売されていましたが今日から紙も販売開始です。

 お陰様で発売前に増刷が決まりました!

 書籍の内容は試し読みや下記のスライドをご確認ください。

 このエントリーでは書籍を描いた経緯とその理由とについて書きます。

書いた経緯

 PHPカンファレンス2016の懇親会で私は id:t-wada さんとお話させていただきました。 ちょうどSoftware Designで特集記事を書いた頃です。

soudai1025.blogspot.com

 その流れで「次は単著ですかね」って話を冗談交じりでしたところ、「オススメは1年間連載をするとそれを纏めるだけで半分程度の本になる。それに書き足して1冊の本にすると良い。」というアドバイスをいただきました。 いつもの事ながら「やればいいよ」と言われたことを愚直に受け止め、どうやって連載を持てば良いか考えましたが答えは出ません。

 そこで1週間ほど悩んだ結果、直接SDの編集長の池本さんに「連載がやりたいです」とFBでmessageを送ったところ、池本さんから「良いよ。企画を考えて送ってください。」となんとも驚きの返答が来ました。

 このようにトントン拍子で話が進み、2017年4月、ついにSoftware Designで連載「RDBアンチパターン」が始まります。

連載、そして完走

soudai.hatenablog.com

 1年後のPHPカンファレンス 2017でもこの事についても振り返っています。

 ちなみに連載中、何度も厳しいタイミングがありましたが一番厳しかったのは11月後半から12月にかけてです。 理由はアドベントカレンダー、特にMackerelプラグインアドベントカレンダー(全部CRE)を一人で完走するという修行と登壇、そして忘年会ラッシュの合間を縫って原稿を書く必要があったからです。

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 このように山あり、谷あり、涙ありの連載を続け、無事に2018年4月をもって連載が終了しました。

そして単著へ

 無事連載を終え、編集担当の方と書籍のスケジュールについて調整します。 しかしこのタイミングで一つ変化があります。それは転職です。

soudai.hatenablog.com

 もう1年が経ちますが今でも、はてなの皆さんには感謝してます。 この連載は当時のみんなの支えがあったから完走出来たと思っています。 改めてありがとうございました。

 転職による影響は大きく、夏を目標としていましたが私の遅筆も重なり全く進行できず…期限を年末にリスケします。

 ですが納期が延びたものの、原稿は全く進みません。 (これは寄稿したり、Web+DBに浮気してたことが原因の一つであったことは否定出来ません…) 結局のところ、年末を前にしても全然進んでおらず、これにより二度目のリスケを懇願した結果、2018年度内は絶対に死守するという約束の元、真の単著育成計画がスタートします。

 負けられない 納期 戦いがそこにある、このように多くの人に支えられた結果、この本は世に出ました。 編集の中田さんには本当にご迷惑をおかけしました…

なぜ本を書いたか

 2016年10月に志してから2年5ヶ月かかりました。 連載1年と単著の書き下ろしの1年だけでも2年をかけてこの本のは作られています。 それほどの工数を割いてまで本を出した理由はなぜかも書き残します。

名誉やステータスとしてのためですか?

 違います。

 世に注目されたいのであればベストスピーカーを取った時の方が注目されたと思います。

お金のためですか?

 違います。

 お金のための副業なら受託開発をした方が圧倒的に効率が良いでしょうし、本業で頑張って給料を上げる方が時間的余裕も大きいでしょう。

勉強のためですか?

 違います。

 勉強が目的ならコードを書いたり、本を読んだり、それをブログでアウトプットする方が学びの質も量も高いでしょう。

知識を繋いでいくため

 これが答えです。

 私のスキルと経験は沢山の書籍や先駆者の知恵によって育てられてきました。 そのスキル、経験をちゃんと共有したいという思いが今回、書籍を書くという最も大きな動機です。

 それはブログやQiita、Wikiなどでもいいのでは?と考える人も多いと思います。 もちろんそれは間違っていません。ですが10年後、そのブログやサービス、Wikiドメインは正しく残っているのでしょうか。

 昨今、はてなダイアリーのコンテンツは、はてなブログに移行して存続したとは言え、Yahooブログを筆頭に多くのブログサービスが終了しています。 また独自ドメインを持ったブログも著者が更新を辞めたり、場合によっては本人が存命していないことで継続されなくなることも珍しくありません。

 私のこの失敗から学んだRDBの知識は10年、20年後も誰かを支える知識と知恵だと思っています。 だからこそ、ちゃんとメンテナンスされる場所に残したかったのです。 仮に私が死んだとしても書籍は継続されるでしょうし(売れれば)、場合によっては誰かに引き継いで行くこともできます。

 このように商業誌として出すことは、多くの人の手に取ってもらえる、高い品質を編集・校正などによって担保されること以外にも大きなメリットはあるのです。

最後に

 この本に足りないパーツが一つあります。 この本はSQLアンチパターンと同様に今から新たに罠(アンチパターン)を踏まないための本です。

 つまり「既に今、目の前にあるアンチパターンで構築されたデータベースと如何に戦うか」については記載されていません。 それはつまり データベースリファクタリング です。

 だからこそ今、まさに私がやっているデータベースリファクタリングの戦いが終われば、それはまた何かの形で伝えれればいいなと思っています。