前回の香川大学の登壇の中でエンジニアとしての生存戦略について話をしました。
今日は私のエンジニアとして、ビジネスマンとしての生存戦略について書きます。
自分の価値は他人が決める
評価と言うのは自分が出した成果物(アウトプット全般)に対して他者が評価します。そしてその評価が自分の価値を決め、お給料などを決めるわけです。その成果物の評価は色々あり
- ビジネスにどれくらい貢献するか
- 問題をどれくらい解決するか
- 未来にどれくらい貢献するか
などが評価軸にあります。具体的な評価軸についてはチームメンバーによって違うでしょうし、チームのフェーズによっても変わります。
もっと言えば他人が決めるわけですから評価者が違えば当然変わります。ビジネスを重視する人もいれば問題解決を重視する人もいます。場合によってはその過程も見る場合もありますし、全く過程を見ないことも当然あります。また他人に出来ない事、自分しか出来ない事は相対的に評価が上がりやすいです。
このように評価は実はとても曖昧で相性があるモノです。
評価される場所が大事
前述のとおり、評価される側の場合は評価される場所に行くことはとても大切です。
仕事は結局のところは成果出せば良いんでしょ?って言われればそうなんだけど何を持って成果とするか、また自分の成果物の評価については他者がすることなので自分の出来る楽しいことを評価してくれる場所に行くってのが大切なことだなってふと思ったりした。
— そーだい@初代ALF (@soudai1025) 2017年5月10日
つまりは自分の価値観と限りなく近いチームの方が相性は良くなりますし、評価も高くなります。ここはとても大切なことです。勿論万人を納得させれるようなアウトプットを出すことも大事です。しかしそのアウトプットに対して優をつけるか並をつけるかも評価者に依存します。ですのでそもそも自分のやりたいこと、得意な事ができる、そして評価される場所に行くことは大切です。
ではどんな事をアウトプットするか
ここから本題です。そこで私が意識していることが 誰もやりたがらない事を敢えてやる ということです。ただしこれには次の条件があります。
- ビジネスにどれくらい貢献するか
- 問題をどれくらい解決するか
- 未来にどれくらい貢献するか
つまり自分を自分自身が評価した時、この行動がどれくらい評価するか?ということです。例えばチームの雰囲気が悪いからじゃあ朝は大きな挨拶をする。そのレベルでもアリです。例えばスタートアップなら誰もトイレを掃除しないから自分がする、なども候補にあがります。エンジニアリングだと次のようなことを実施してきました。
- 事務員さんの作業を効率化させる
- チームメイトの問題を進んで巻き取る
- チームの相談役を買って出る
- アサインされていないコードレビューに参加する
- 場合によってはコメントを書いたりプルリクエストも出す
- productの未来に必要な技術を予め試しておく
その他にもケース・バイ・ケースで無限ありますし、場合によっては「それ当たり前じゃん?」ってこともありますし、「全く評価されないのにやるの?」となる場合もあります。私は他者の評価関係なく 自分がチームのために必要なことは率先してやる ようにしています。
誰もやらないことをやる効果
そもそも誰もやらない理由は次のような場合です。
- 該当行為が評価されない
- 相談役とかアサインされていないコードレビューとか
- その作業に楽しみが無い
- 事務作業系とか掃除とか
- 問題は認識しているが誰もアサインされていない
- 事務員の効率化など
- そもそも忙しすぎて優先度が上がってこない
これらの原因があり、誰もやらない状態になっているケースがほとんどです。しかしだからこそやることでずっと残ったままの割れ窓やチームの慢性的な不健全な状態を解決することができます。これは場合によってはすごい成果を生むことがありますし、健全な状態を維持するためにはとても大切なことです。
そもそも作業するリソースが出せない
そうですよね、自分も評価されたいですから成果出したいですよね。そこでチャンスが2回あります。
一つ目は「新入社員の時」です。新入社員の時は1〜3ヶ月くらいはフルリソースでは無くある程度遊びがあるはずです。そういう時は「誰もやらないことを敢えてやる」チャンスです。類似の状態には次のようなときがあります。
- プロジェクトの入れ替わり
- チームを移動した時(社内異動や転職)
- 役職や担当が変わった時も含む
- 期の変わり目
これらのタイミングはリソースに余裕が生まれやすいのでチャンスです。
とは言え、小さなチームの自社サービスなどはそういう機会を作ることは難しいですよね。そういう時のもう一つの方法が「強制的に時間を入れる」です。例えば合宿や○○ウィークのような「自由に作業できる時間を作る」ことがオススメです。小さなチームなら上司に直接打診するのもアリですし、あなたが上長なら会社の外の会議室を抑えて「明日は空気の違うところで自由な一日にします」とかすると強制力があってオススメです。小さく初めたい場合は自分のカレンダーなどで午前中は「作業によりブロック」など入れて強制的に時間を作りましょう。
それ理想論でしょ?
そうですね。なので私は勝手にやってました。具体的なチャンスは次のケースです。
- GWなどチームメイトが少ない時の出社日
- 上司が出張中で居ないなどタスクに余裕が出た時
- 担当の仕事飽きた時
- いつもより少し早く出社したり、残業の区切りの時間までに時間がある時
- 昔は出社30分前に出社を強制させられ、掃除をするようなからい職場に居たこともありました
- 残業代は30分区切りの職場もありました
- 担当のタスクよりも明らかにそちらの方が効果が見込める場合
工夫すると意外とリソースはあります。本当にリソースがない場合は会社がドブラックなので転職するか自分のスキル不足なので磨くかどちらかがオススメです。最後のケースは自分に自信がない場合はオススメしません。本来の自分の仕事を止めることは多くの場合、明らかな会社のマイナスで評価以前にチームメイトの作業に影響が出る場合もあるからです。あくまでも自分に与えられた担当タスクはこなしつつ、他の時間で行うことが大切です。ですのでチームの理解を得れず、力技で進める必要があるような現場では残業によって行われると思います。
チームのために必要なのはわかるけど自分のためになるの?
なります。
少なくともちゃんと作業の内容を見積もって対応すべき内容なら自分の評価は上がるはずです。なぜなら人には出来ないことがあります。出来ないことは人それぞれですが「やらないこと」も出来ない事の一つです。出来るけどやらないは出来ないと同じなのです。なので 他人に出来ないことをやる となり、評価が上がるわけです。
またこれを繰り返すことで自分の視野も広がります。昔、先輩に言われた言葉で心のメモに残っている言葉に「雑用ができる人は気遣いができる。気遣いができる人は問題に気付く。問題に気付く人は改善できる人になる」という言葉があります。私はこの言葉は一理あると思いますし、改善できる人になるためにまずは率先して雑用(誰もやらないことを敢えてやる)ということが大切だと思っています。